コロナに負けるな配信奮闘記 2021年版 -オンラインライブを1年試してわかったこと。

こんにちは、昼夜逆転気味のギター女です。

さて、今回はオンラインライブについての記事です。

以前コロナでツアーがなくなったので、代わりにライブを配信しようと頑張ったことがありました。

こんな感じでブログにライブ配信までのドタバタを書くというものですね。

そしてその後ブログでは書いてなかったのですが、ライブ配信数本を行い、オンラインフェスにもいくつか参加しまして。

配信について色々思うことが増えたので、備忘録的なものも兼ねてオンラインライブについての色々を2021年版の記事にしようと思います。

あくまで私の感想ですが、これから配信する人の参考になれば、そしてもうライブやってる人のあるあるネタになればなと思います。

サウンドハウス

参考 : 中の人のオンラインライブ

一応中の人のライブ映像も貼っておきます。見なくてもいいですが、見てくれたら喜びます。

まず、これが前述した企画として2020年に撮ったライブ。

ZoomのQ2nとCanonの一眼レフEOS KISS X5を自動で切り替えつつ録画しております。今見返すと色々未熟でお恥ずかしい。

そしてこれがそれからだいたい一年後、同じく自室で収録した30分くらいの尺のライブ。これはカメラから何から完全に一人でやりました。

4アングルで照明も頑張ってみました。あとぬいぐるみはどかしました。

使ったカメラはZOOM Q2n 4kとIPhone、IPad、後CanonのEOS KISS X5です。

そしてこれが屋外というか廃墟(友人が月1万円でドラム練習用に借りていた旧カラオケバー)で撮ったもの

カメラはZOOM Q2nとGo Pro、Ricohの水中カメラとソニーのデジカメ。イケメンな感じで撮りたかった。

これも4アングルですが、ひきのアングルがあったりします。廃墟の持ち主である友人にカメラを手伝ってもらいました。カメラもZOOM以外彼のものを借りました。感謝。

あとはオンラインフェスのために、ワンアングルで撮ったライトめのライブや音源のみのライブセットを数回やりました。

これはその中の一つです。カメラはQ2n 4kを使用のワンアングル一発撮り。珍しくギターもガッツリ弾いております。ギター女なのにギター弾くのが珍しいって…

オンラインフェスはちょっとリンク貼るのやめておきます。他の人のライブも入ってるしこういう私的な記事に貼っていいものか悩むのと、11時間ぶっ通しで音楽流れてる動画とかもあるので流石に重いかなって…

どういう流れやセッティングでライブをおこなったかはまた後日にそれぞれ記事を書こうと思います。

今回は全体を通して、オンラインライブをやって気づいたことをざっくりと書こうと思います。

ちなみにこれが幻の第一回ライブ配信、Macbook Airの内蔵カメラと内蔵マイク、格安SIMでのテザリングでライブハウスから配信したときの様子でございます。

呪いのビデオの様で怖いと言われます。

コロナ日本上陸初期、まだ緊急事態宣言も自粛要請も出てないけど人を呼ぶの憚られるなーって時、ライブ本番直前に配信を決めて撮りました。

音質も画質もこれ以下はないだろうって感じなのに、いまだにじわじわ再生数が増えていて非常に謎。尺も割とあるのに。

投稿しといて言うのもなんだけど、誰がみてるのよ。

カメラの選び方 : 電源と録画時間のストレスのないものを

私が配信やっていて一番強く思ったこと、それはカメラは給電しながら使えるものを使った方がいいってことです。

配信の準備中ってアングルの微調整で非常に時間をとりますね。複数台のカメラで撮影するときは他のカメラが写りこまない様に気をつかったり。

カメラマンとして友人に協力してもらった時でも1日以上セッティングに使いましたし、これが一人でやるとなったらさらに大変で、楽器弾いてみてカメラいじって確認してを延々と繰り返してで1日が終わる。
試行錯誤しつつ一人で演者とセッティング両方やるので画角の確認だけでも人一倍時間がかかります。アングルと光の調整に費やすとか数日ざらです。

そうやってセッティングしてる最中、給電しながら使えないカメラだと充電してーセッティングしてー弾いてー確認してー充電してーってなるのでやることがさらに増えます。やれなくはないですがストレスが溜まる。

そして本番中も、動画撮影って思っている以上の速度で電池を消費するのでちょっと怖いです。ライブ中ちらちら電池気にしちゃうのはちょっと集中できないです。

なので今から撮影用のカメラ買う人は、USBや電源タップから給電しつつ撮影できる仕様のカメラを強くお勧めします。それだけでだいぶセッティングや本番のストレスがなくなります。

私の場合一眼レフが給電しながら動画撮影できるタイプではなかったので、DCカプラというものを使って給電しながら使える様にしました。

DCカプラはカメラ用電池パックと同じ形をしていて、電池の代わりに入れて使う機材です。これで撮影しつつ電源から取れる様になる。非常に便利です。今あるカメラで頑張りたい人にはおすすめ。

これを買いました。純正品じゃないですが私のEOS kiss X5では一応動きましたよ。ちょっと怪しい時もあったけど。

あと収録タイプのライブをする時、EOS kiss X5で30分近い録画を行うと、途中で録画が切れることがありました。元々長時間動画撮影をする用のカメラではないので仕方ないです。
SDカードの種類や録画の画質を調整することで録画可能時間を伸ばすことができました。でもライブのたびにちょっとビクビクします。

そんな風に、私は元々ライブ撮影するつもりで買ったわけではないカメラを無理やり使ってるのでいらない苦労が多いです。

今からライブ配信用にカメラを買う人は動画用のカメラ買いましょうね…。ちゃんとファイルサイズや時間が一定を超えたら動画ファイルを分割して録画継続してくれる様な、長時間の動画撮影が考えられたカメラを使えば安心です。

ZOOMのQ2nは非常におすすめですよ!

ちなみに冒頭にあげたライブ動画を撮るのに使ってるカメラ、Q2nからQ2n 4kに途中でしれっと変わってるんですが

それは私がセッティング中に三脚ごとQ2nをぶっ倒してしまい、メーカーに有償で修理を依頼したらアップグレードして返ってきたからです。

アフターフォローも万全なZoomを推そう!!

照明にはこだわるべき。ライティングは超大事。

自分でライブをしてみて照明さんの偉大さを実感しました。本当いつもありがとうございます。

普段のライブハウスでのステージングの見た目力は照明さんの力によって成り立っていますね。

ライブでかっこいいーって言われるのもライブハウスマジックで恋人ができたりしやすいのも、頑張ったあなたもえらいですが照明さんの頑張りもめちゃくちゃでかいです。

初対面だけどいい雰囲気だった観客としてライブを見に来てくれた子とライブ翌日の昼間にあったら「あの時がっつり化粧してました?」って言われた高校のクリスマス。

('A`)

悲しいことを思い出しましたが、それくらいライブ中の私たちは照明によって盛られています。

私はライブハウスみたいに暗い場所で収録したいかったのですが、あの暗さで演奏している様子がちゃんと見える様に収録しようと思ったら思っているより照明の光量と数が必要でした。

しかも明るければいいってものでもなく、一点から照らす光が強いだけだと不自然になるので、何箇所かから分散させた光をカメラに収める必要があって、家の中にあるランプやらテーブルライトやら懐中電灯やらかき集めましたよ。

買うならIKEAの豆電球とかめっちゃ安いしサイズも色味も選べますよ。お勧め。

あとはこういう、安くてちっこいLED投光器とかを買いまして

色付きライトで影の色を演出したり、明かりが強すぎるなーって思ったら表面に紙を貼って光を拡散させてみたり。DIYに頑張りましたよ。

最近はスマホのカメラも優秀でナイトモードなんかもありますし、動画にフィルターをかけることで色味やコントラストを多少調整したりもできますが、根本的な影の落ち方とかは変えられませんので、いいクオリティでライブしたいなら照明は頑張るべきだなと思いました。

弾き語りなどナチュラルな雰囲気で撮りたい人でも窓の位置や光源、ライトを電球色か蛍光灯色かだけで雰囲気ガラッと変わりますよ。照明は奥が深いね。

生か収録か、適した方を選ぼう

オンラインライブっていうと一般的にイメージされるのは生配信だと思いますが、収録して流すタイプのライブも選択肢に入れるのありだと思います。

これは賛否両論ありそうかなって思ってます。特にライブ好きの方からは。

ライブったら生だろ!って。気持ちはわかります。

ただ、いくつか理由を考えて見たら、あまり生配信にこだわりすぎずやりたいことを考えて、収録ライブと生配信、どちらが自分に適してるか考えた方がいいとかなって思ったんですよ。

一人での配信ライブで質を追うのは難しい。

私は最初こそ生配信ライブを頑張っていたのですが、以下の理由から、最近はライブを収録配信する方が多くなりました。

①あとで配信を聞き返したら音質があまりに悪かったから

②配信は同じカメラでも録画より画質が数段落ちるから

③カメラのシーン切り替えをもっとカッコ良くしたいから

①については配信ライブ中の調整って非常に難しいです。PAさんがいるなら何とかなるかもしれませんが、こちとら一人部屋から寂しく頑張ってるんで…本番中に音の調整まで意識を向けるのは難しいです。

それにモニターしている音と配信中の音が全然違ったんですよ。なので自分でライブ中音の調整をしようと思ったらモニターなどの設備が整ってないと厳しいなって思いました。

プロの生オンラインライブを見てる時も結構苦戦してると感じることも多いですね。
プロがPAさんを雇って、チケット売る様なしっかりしたサービスで配信してたとしても、負荷を下げるためか結構ガッツリ音質下げられてるなーと感じることが多いですし
PAさんが雇えない個人でやるタイプの配信では尚更、生配信にこだわるなら音質を諦めざるを得ないなと感じたので。

私のライブって打ち込みも使うので尚更音が悪いと目立つ。ピアノやアコギなどを使ったライブならもうちょっとマシかもしれませんね。

②については特にZoomのカメラで顕著だったんですが、webカメラとして使用する時と普通の収録時で画質が天と地ほど違いました。同じカメラでも全然違ったよ!びっくりしたよ!!

高いカメラを買えば生でもマシかもしれませんが、負荷を下げるためもあり配信だとどうしても画質が下がると思います。

③については複数台のカメラを使うときの話です。

切り替えをやってくれるカメラ専属のスタッフさんがいればいいのでしょうが、一人でやってる私では何秒ごとにカメラを切り替える、みたいな設定を予め組むくらいしかできませんでした。それでも結構タイミングがハマってる様に見える瞬間もあったのですが、ビートに合わせてこのタイミングでカメラ切り替わって欲しいんだ!みたいなことはできなかったので。

ただワンアングルで潔く見せた方がしっくりきたことも多かったので、この辺はお好みです。

そんな理由から、収録ライブが増えた私です。

つまり一人でDIYである程度のクオリティでライブをやるためには、セルフ分業体制でやろうって感じ。

パフォーマンス中の私はパフォーマンス重点、大きな規模の配信ライブでいるはずのPAやカメラさんの役割は未来の私にぶん投げるって感じです。あとは任せたって。

いや収録だと緊張感がなくなるし!生がいい!という人もいるかもしれません。

実際私もライブには緊張感が欲しいタイプなので、この一回が本番!って思ったらそんな何回も撮りなおさないです。多少のミスは味。完璧よりドキドキ優先。

ただ、私の場合ですが、生配信と収録で緊張感が大きく変わるかというとそうでもありませんでした。どっちも目の前にあるカメラを通して不特定多数の人に見てもらうって点は同じですので、本気度変わらないね。

他の人の配信も生や収録問わず見てみて、無観客の収録ライブで緊張感保つのも一つの技術かなと思うこともあります。どっちでも本気で演奏すれば伝わると思いました。

逆に生配信が向いているのはこんな人。

・リクエストを受けてバンバン曲を弾くアドリブタイプのライブをする人

・MC等でコメントを読み上げてファンとガッツリ交流するタイプのライブをしたい人

生じゃないと絶対できないことって、私が考えつくのはこれくらいです。これは収録だとできないね。

こういう人は音質を考えて収録に切り替えるよりは生配信ライブにこだわった方が良いと思いますよ。持ち味は生かしていきましょう。

ちなみに「いや、俺らは元々ライブでの盛り上げ力が売りのバンドなんで!だから絶対生じゃないと!!」って方も多くいると思いますが、

実はそういうバンドほど配信中チャット欄に降臨してファンと交流する方が持ち味の盛り上げスキルを遺憾無く発揮できる場合があります。

これ個人的におすすめです。ファンからしたら推しのライブを推しと一緒に見られるんですよ。推しが二倍ですよ。嬉しいね。

実際私も録画配信タイプのオンラインフェス出演した時とか、自分のライブをみんなと一緒に見てチャットでコメントしたりしました。楽しかったです。

画面の中の私がお酒飲んだタイミングでみんなで一緒にかんぱーいとか言うの、最高に盛り上がりました。

ライブ感に大事なのはいかに視聴者と時間を共有するかかなって思いますので、チャット欄で楽しい時間を共有するのも一つの選択肢だと思います。使えるものは使ってきたいところ。

個人的好み。ライブハウスと配信ライブの大きな違い。

そしてリスナーとして私の考える、収録と生配信どちらにするか考えるべき大きな理由が一つ。

リアルライブの生感が100パーセント伝わる動画が、配信としていい動画かというと違うなと思ったからです。

ここからはさらに賛否両論きそうな話です。なんで私がそう思ったかというと、某フェスがコロナで中止になったので過去のアーカイブを公開してたんですが、正直その演奏のなかの多くが、聞いててかなり辛かったんですわ…。

彼らはフェスに出演するほど実力派のバンドのはずですよ。演奏も上手いはずですし、カメラスタッフもPAも実力のある人が手掛けた映像なはずですよ、なのに聞いててかなりしんどい。なんでだってなりました。

元々現場の観客に向けたライブでまさかコロナでこんなふうに配信されると思ってなかったんだから仕方ないよな、とか。

配信ライブと有観客のライブで適したテンションって違うから仕方ないよな、とか色々考えました。

しかしそういう"仕方ない"以外の聞いていて辛い理由を考えてみるとですね。

普段のライブは爆音サウンドやスピーカーの振動、お客さんの熱気の様なものが合わさって"現場の空気感"ってものが形成されてると思うんですが
画面越しで自宅用スピーカーで聴くと当然その辺の空気は伝わってこないんで、そうなると音や演奏の荒さ、正直めっちゃ目立ちます。生のライブより数段目立ちます。

バンドのファンの人やその時フェスに参加してた人は思い出の中から"現場の空気"を引っ張り出せて楽しめたかもしれませんね。ただそのバンドを全く知らない私にはキツかった。

そして私がやるのはアーカイブじゃなくて配信オンリーのライブです。完全に初見の人に作品を見てもらうことも多いし、そうやって人の思い出に頼ることはできません。そうなると動画作品として「悪くないじゃん」って自分で見返した時に思えるだけのクオリティが欲しくなったんですよ。それには画質も音質もある程度欲しいよね。

スタッフさんがいっぱいいれば生配信とクオリティの両立はできるかもしれないけどね。私は一人なんで。生配信のドキドキ感と自己満足的な質を天秤にかけて質を取りました。

そのうち生ゆえのライブ配信ってのも試す日は来る気がしますが。今は収録ライブで色々試したい。

ただ質が欲しいと言ってもCD並の完璧を求めてるわけではないです。ライブならではのドキドキハラハラ感も好きなので、あんまり加工はしたくない。その塩梅も含めて試行錯誤していますが、非常に難しい話です。

なので最近は先ほども言った様な、演奏前の私が照明さんをやって、演奏中の私は普段のライブ通りパフォーマンスに徹して、その後にカメラさんと音響さんを自分でやるようなイメージで頑張ってます。それで「生のライブの臨場感」と「単純に見て楽しい動画」をいい感じに両立できないか、試行錯誤しているところでございます。


実際両立してるかはわからない。自分で両立できたと思っても伝わってるとは限らないし。ただ人がどうというより、自分が見返した時頑張ったなって思いたいんですよ。

配信したときは頑張ったなって思っても数ヶ月経って見返したら「もっとこうすればよかった」ってなるけどね。そして収録に切り替えてから、正直完成までにかかる時間と労力は倍くらいに増えたけどね。
生配信の方がサクサク作品できることはできますよ。でも自分が嫌なんだから仕方ないね。

そんなんいいつつこういう昔の古いパンクバンドのライブ映像見るの好きだったりするんですけどね。

画質が高ければいいってもんでもない。映像って難しい。

まあそんな感じです。

私は今は収録派なので記事はそっちに偏ってますが、別に片方が絶対いいわけじゃなくて、両方を選択肢に入れた上で適宜選べばいいと思います。

大事なのはどんなライブをしたいか考えることかなって。自分のライブの特性を考えて、生配信の勢いにこだわるか収録配信でクオリティにこだわるか選ぶことが大事なのかなと思いました。

なんでここまでしつこく収録ライブの良さを書いたかっていうと、"これ録画ライブかよ!騙された!"っていうコメントを他の人の配信ライブで見たことがあるので。しかも一回じゃない。

なぜか悪者になりがちですが、収録ライブは言うほど悪くないよ。

後書き。配信はいいぞ。

以上で配信について私が思ったこと、2021年版でした。

一人でセッティングからパフォーマンス、全部やるって大変なことも多いですが、楽しいです。スタッフとして助けてくれる人がいるなら是非…ってくらい大変だけど。

演出や裏方まで一人で一通り軽く触る様なものなので、実際のライブでやるときの視点もきっと変わるんじゃないかなとも思います。いい経験させてもらってます。

生ライブはもちろんいいですが、配信は決して生ライブの需要を食ってしまう様な、競合する様なものではありません。

生ライブには生ライブの良さがある!って偉い人が言ってましたが、当たり前です。配信の良さは別にあります。

コロナの今の安全確保にはもちろん、例えば遠方で観に来れない人、ちょっと覗いてみようかなってライト層、そして全く自分を知らない様な人に音を届けることができます。

そして配信ライブのいいところは、アーカイブをみんなが後から見てくれることですね。時間を超えて国を超えていろんな人に見てもらうことができます。

むしろ配信で気になった人が、生ライブを見に来てくれたりするきっかけになるかもしれません。そう思うとむしろ共存関係です。

なので、普通のライブができる様になったとしても、オンラインライブは続けていきたいと思う私でした。

ここまで読んでいただきありがとうございました。