Soundcraft NotepadシリーズとYamaha AGシリーズを比較してみた。

2021年5月31日

こんにちは、宅録のおかげでおうち時間が捗るギター女です。

ステイホーム期間に皆様何か買いましたか。定番だと部屋着だとかスキンケアグッズだとか。運動不足解消用に筋トレグッズなんか購入した人もいるのではないでしょうか。

母は部屋に棚を購入しました。弟が使っていたちっこい冷蔵庫やレンジなんかも持ち込んで、部屋が快適すぎて全然出てこなくなりました。

お部屋が充実するって素晴らしいですね。

充実のため、私はオーディオインターフェイス内蔵のアナログデジタルハイブリッドミキサーSoundcraftのNotepad-12fxを購入しました。

見た目が可愛い。

それまではYamahaのAG03を使っていました。この二機種どちらも低価格、ギター用Hi-Z入力とオーディオインターフェイス内蔵でPCに繋げてエフェクトもかけれるという。

結構似てるんですよね。せっかくなので比較します。

サウンドハウス

基本の機能の比較。入出力やスマホとの相性について

まずYamaha AGシリーズはAG03とAG06の2つ、Soundcraft Notepadには5 ,8fx ,12fxの3つバリエーションがあります。

これがAG03と上位機種のAG06

YAMAHA ( ヤマハ ) / AG03 配信用ミキサー オーディオインターフェイスYAMAHA ( ヤマハ ) / AG03 配信用ミキサー オーディオインターフェイスYAMAHA ( ヤマハ ) / AG06 ウェブキャスティングミキサーYAMAHA ( ヤマハ ) / AG06 ウェブキャスティングミキサー

これがSoundcraftのNotepadシリーズ。

Soundcraft ( サウンドクラフト ) / Notepad-5 アナログミキサーSoundcraft ( サウンドクラフト ) / Notepad-5 アナログミキサーSoundcraft ( サウンドクラフト ) / Notepad-8FX アナログミキサーSoundcraft ( サウンドクラフト ) / Notepad-8FX アナログミキサーSoundcraft ( サウンドクラフト ) / Notepad-12FX アナログミキサーSoundcraft ( サウンドクラフト ) / Notepad-12FX アナログミキサー

見た目はどっちも可愛い!白いのも可愛いけどネイビー基調なNotepadシリーズも可愛い!

ですがこれだけバリエーションがあるので、単純に比較と言っても難しい。

なのでまずはそれぞれの機種のスペックを雑に表にしてみました。

マイク入力数ステレオ入力数アウトプットUSB オーディオインターフェイス重量
Yamaha AG031ch1ch(ギター用モノラルと選択式)モニターアウト2つ,ヘッドフォン用とヘッドセット用に各1つ2in / 2out0.8kg
Yamaha AG062ch2chステレオアウト1つ,モニターアウト1つ,ヘッドフォン用とヘッドセット用に各1つ2in / 2out1.0kg
Notepad 51ch2chヘッドフォンアウト1つ、モニターアウト1つ2in / 2out0.9g
Notepad 8fx2ch3chヘッドフォンアウト1つ、モニターアウト1つ2in / 2out1.36kg
Notepad 12fx4ch4chヘッドフォンアウト1つ、モニターアウト1つ4in / 4out1.6kg
私的雑な比較表。

重量やインプットの数なんかをみてみると、Yamaha AG03と比較すべきはNotepad 5、YAMAHA AG06と比較すべきが8fxかなって思います。12fxは比較に向かないねえ…。

記事にするなら5か8fxを買うべきだったのでしょうが、せっかく買うならできること増やしたかったし。

重量的には同グレードでみるとAGシリーズの方が全体的に軽めな感じ。Notepad5にのみエフェクトがついてないので注意が必要です。

端子の違いについて

マイク用のインプットはAGシリーズもNotepadシリーズもフォン端子と共用のものが採用されてます。ただファンタム電源やギター用機能であるHi-Zが搭載されているチャンネルが各モデルごとに違うので、単純なチャンネル数だけでなく、自分のしたいセッティングができるか考えて選ぶことが大事だと思います。

例えばAG-06はマイク入力が2chですが48Vのファンタム電源が使えるのはチャンネル1のみかつギターアンプシミュレーターが使えるのはもう1つのチャンネルだけですし、12fxはマイク入力が4チャンネルありますがギター用機能であるHi-Zに対応しているのは2チャンネル分です。

歌を歌うのか、ギターをつなぐのは何本か、キーボード弾くのか弾くならステレオかモノラルか、色々考えつつサウンドハウスを眺めてニマニマする時間が一番楽しいと思います。

脱線したところでアウトプットの話も。

アウトプットはAGシリーズはフォン端子、Notepadシリーズはキャノン端子です。これは私が買う際一つの決め手になりました。

そもそもなんでAG03から新しいのに変えたかって言うと、ライブハウスのPAさんにAG03のフォン端子から音源を渡そうとしたらすごい嫌な顔されたからだったりするので。

PAさん曰く、音を考えるならキャノン端子の方がいいらしいですぞ。

本当にキャノン端子の方が音が格段によくなるのか、環境を完全に揃えて比較したことがないので分かりませんが…単純な機種の比較だとコンプやプリアンプの種類による変化も大きいと思いますし。

ただ、ライブハウスの人に気持ちよくセッティングしてもらえるのは私にとって大事でございます。

購入はコロナが広がってからなので、Notepadのライブ現場デビューはまだですけど…。ライブで早く試してみたいですね。

音の変化について

で、自宅仕様ばかりとはいえミキサーを変えて半年ほど経つわけですが。実際ミキサーで音は変わるのか。

これは結論を言うと、音は変わります。うまくいえないけど出てる音源は同じはずなのに質感が違うというか。結構はっきり変わります。

スピーカー同じ、音源同じでもミキサーだけでかなり音の印象変わりました。すごいね。オーディオの沼は深いです。

ただ違うと感じはしますが、変化って感じ。優劣についてはわからないです。Yamaha AG03の方が癖がない音をしている気もしますし。ただ私はSoundcraftの方が何となく好きです。

スマホとの相性

そしてどっちもオーディオインターフェイスが内蔵されていますが、配信の時代である今IPhoneをはじめとしたスマホにもつなげるのか。

試してみたところ、どちらも繋げます。一度clubhouseアプリでいい音で配信できないか試して両方IPhoneにつながりました。変換アダプターはどちらも必要でした。

結局clubhouseの仕様で他の問題があって高音質配信はかないませんでしたが、別のソフトでのライブ配信ならどちらでも問題ないんじゃないかなあ。

ただ、AGシリーズはミキサーからスマホに給電できますがNotepadシリーズはできません。分配できる変換機など別の手段で給電する必要があります。

こういうやつね。

AGシリーズの方が手軽に配信できますね。ただミキサーとして考えると、電気を分けない分Notepadの方が音質の安定感あるんじゃないかなとは思います。

オーディオインターフェイスとミキサーがまとまってると場所も取らないし電源も少なく済むし、小さい部屋での制作にはありがたいですね。

一つの機材で完結していれば機材間で生まれるロスもすくないんじゃないかと思いますし。

ライブでも持っていく機材も少なく済むし置き場もコンパクトにできると思います。ライブハウスだとめっちゃ小さい机しかないことたまにあるじゃないですか。AGシリーズもNotepadシリーズもどっちもめっちゃ小さいんでセッティング楽だと思います。

どちらも非常に良い機材だあ…

大きな違い、付属ソフトウェア

そんなふうにどちらもオーディオインターフェイスとしても優秀ではあるわけですが、パソコンに繋いだときにできる操作が大きく異なります。

どちらも専用のソフトウェアが準備されてますが、機能が大きく異なるんですよ。

まずAGシリーズ用ソフトの「AG DSP Contlloer」ですがこれはかなりいろんな設定ができます。というかこのソフトほとんどの設定を行うような仕様。

Yamahaの本体、コンプやEQのオンオフスイッチはあるんですがパラメーターのつまみはないんですよね。どこで変えるかというとこの専用ソフトウェア内で変えます。本体はオンオフのみ。潔い。

その分アンプシミュレーターや4バンドのパライコといったバラエティ豊かなエフェクターが使えます。コンプのパラメーターも細かく設定できます。ただアンプシミュレーターのオンオフも本体側ではできません。潔い。

潔いけど、これはPCに繋いでいないとエフェクトがまともに操作できないってことなので…。一応フットスイッチでリバーブのオンオフはできるようですけどね。

当たり前だけど本当にPCとつなぐこと前提の機材だと思いました。ソフトの画面的にもちょっと細かすぎてライブ中にいじるの難しい感じ。もともと配信特化のミキサーなので、リアルライブでの操作は想定されてないんだと思います。

一方Soundcraftにも"Soundcraft USB Audio Controll Panel"なるソフトは付いていますが、これは非常にシンプルなソフトでできることはルーティングとダッキングの設定程度です。逆の意味で潔い。

エフェクトはLexicon製の空間系エフェクターがミキサー本体に載ってるので本体のつまみで設定します。PCにつながずミキサー単体でも大丈夫。

他にもSoundcraftにはPANや3バンドのEQを操作するつまみがあって、本体で操作できる部分が多いです。これは私にとってはありがたいですね。ライブ中に操作したいこともある部分なので。

あとライブでもスペックが決して高くないMacbook AirでAbletonと同時に使うことが多いので、Soundcraftの方がちょっとでもPCへの負荷が減らせてありがたい。ハードにエフェクトが入ってるっていうのはライブやる時の安心感もあります。アプリは強制終了しちゃったらと思うとね…

座ってじっくりセッティングできるような環境だったり、ゲームやだべる配信が多い人にはYamahaの設計はぴったりだと思いますが、そういうのあまりやらない私にとってはSoundcraftの方が向いてると感じました。

実際に使ってみて赤裸々な感想、Soundcraftあれ?って思った点。

ここまで書くとSoundcraftシリーズがいいじゃん!ってなりそうですが。実際使ってるとあれ?ってなる点も。

まずPCから音楽を流すときに音がクリップすることが増えました。

いや、私そんな大音量で流すタイプじゃないんですが、Soundcraftからミキサーに大きめの音声を流すとプツプツ音がたまに。スピーカーのせいではないです。PC側からの音量が大きければミキサーのボリューム絞って小さい音で聴いててもプツプツいいます。

私のミックスが悪いって?違うもん!プロの音楽聴いててもプツプツなるもん!!

音源次第では全然大丈夫なんですが、SpotifyやYoutubeとかの音量をちょっと下げとく癖がつきました。音量はミキサー側で調節っていう。

まあミキサーを使うにあたって入力を小さくしとくのは当たり前のことなのかもしれませんが、このプツプツがAG03だと全然なかったんですよね。だから同じ調子で使おうとしたらびっくりした。

あとこれは原因不明ですし私だけかもしれませんが、Notepadの3,4チャンネルにキーボードとかで録音を行おうとするとですね。何故かDAWのマスターに流れてる音ごと録音されたりします。ルーティングがちょっとややこしいのかしら。

NotepadにはUSB RTN 3/4というボタンがあるのですが、それのオンオフが原因かというとそういうわけでもなく。

今まで二度ほど起きたのですが、先ほど名前がでたSoundcraft用のソフトで設定をかちゃかちゃしてるとなぜか直ったりしました。

Notepadはこういう細かいところでたまに調整が必要になります。ライトな使い方ではAGシリーズの方が癖なく使えると思います。配信用途ではAGシリーズの方が色々行き届いてると思いますよ。

本当はライブ並みの大音量を出したときにこそSoundcraftの真価が出ると思うのですが、それを実感できるのはいつになることか。

そんなふうにライブハウスを恋しく思うギター女でした。

ここまで読んでいただきありがとうございました。