Vox VDL-1 Dynamic looper。不遇の多機能迷ルーパー。

2021年5月31日

冬ですね、寒いですね。妖怪機材女です。かぜっぴきです。

こう寒いと鉄パーツでできたエフェクターやギターを触るのも躊躇してしまいます。冬だけカイロみたいにほかほか素材になればいいのに。

こんな妄言は置いておいて今日の紹介はこちらの廃盤ルーパー、VoxからDynamic Looperです。

このごっつい見た目がたまんない。

サウンドハウス

迷ルーパーで行こう。

ルーパーには大別して二種類あるという私が勝手に考えた持論があります。
ディレイから発展系ルーパーとマルチエフェクターの一機能としての発展系。
前者代表はDL4やBOSSのDDシリーズにくっついてるあれとして、後者の極端な例がこのVDL-1かなって。

まずこちらのルーパー、かなりしっかりしたペダルがついてます。さすがVOX。同社のワウペダルとほぼ同じ感じでしっかり踏める感じ。
他のボタンはプラっぽくて壊れやすそうなのにここはさすがのクオリティ。

このペダルでワーミーからワウからディレイの発振、スタッター、様々なパラメータを足でいじれます。
内蔵エフェクトはギターやマイクの音にかけるプリエフェクト11種類に加えてさらに、ループエフェクト11種。これはループのあとに入ってるエフェクターで、なんと一度作ったループにもう一度エフェクトかけられます。しかもそのエフェクトをかけたループをリダビングできる。すごい。私はこれに惹かれて買いましたね。

このプリエフェクト11種とループエフェクト11種の計22種を足のペダルでコントロールできます。すごい。
ディレイをいじりまくってもエフェクター内の一番後ろにリミッターが入ってるから爆音になる事故も起きづらい。素晴らしい。
コンセプトはすごくわかりやすいというか、リダビング。ループエフェクト。マルチっぽいルーパーだけどただのマルチの一機能じゃなくて中のエフェクトの並び順やコンセプトで尖らせた変態。素晴らしい。本当に素晴らしい。

あくまでも迷なその理由。

こんな感じでなかなか力が入っていた子だったのですがいつの間にやらラインナップから消えてまして、当時機能を絞った廉価版扱いだった小型機VOX VLL-1 Lil’ Looperがいつの間にやら主役扱いになってました。2019年現在VLL-1も廃盤。悲しみ。

かく言う私も全く使いこなせてません。まず足での操作がタップダンスかよって感じにややこしくなります。機能を盛り込んだ分感覚的じゃない。

ルーパーというタイミングが重要なエフェクターで縦や横二つの同時押しを要求してくるその様はまさにダンスダンスレボリューション。

ギターボーカルなんかもやった日には事故の元です。ルーパーの出番は宅録よりライブパフォーマンスのときだと思うのです。なのでライブでの安定性が重要度上位にくると思うのですが、一応テンポを合わせてくれる機能があるとはいえこの子はその辺不親切です。BOSSやDittoがいかに親切設計なのかがよくわかりますね。

あとVOXのマルチのStomp box同様計算機みたいな数字のディスプレイなので、ぱっと見で今なんのエフェクター使ってるかわからないです。

2から3文字くらいに各機能が略されるのですが、ModulationがПodWahが∀AHは頑張りは認めるけど無理があると思います。この辺最近のマルチは絵もついてすごくわかりやすいですよね。技術の進歩すごい。

あと音も電源とかのノイズを拾いやすいのかなあ?なんかピーキーなんですよねこの子。

あとね、でかい。ボードに入れるにも独特なサイズ感で組み方に困るし、そしてクソ重い。これ一個で正直限界の重さです。
それなのにスイッチがすごい壊れそうな儚さ

ルーパーって絶対他のエフェクターよりスイッチ踏む回数多いじゃないですか。この子はさらにリダブって機能もつけてるし余計踏みますよね。その割になーんか頼りないんですよね。多分見た目よりは強いと信じてますけど。気分的に。

あとやっぱりプリエフェクトとループエフェクトの使い分けができるのが特徴なんですけど、これを活かそうと思うと手持ちのコンパクトエフェクターがどうにも出番がない。
前段に歪みで全体の音を作ってあげて、後段にループにかけるエフェクタをかけるってことになるんですけど、やっぱキモはエフェクトループのリダビングだと思うのですね。下手にエフェクターかますとそこをどうにも殺しちゃいそうで。
もし再販するならループエフェクトの方にも手持ちのエフェクターをかませられるようにセンドリターンとか!どうでしょうね。余計誰も買わなくなりますかそうですか。

そんなわけで名なコンセプトだったのですが迷になってしまったダイナミックルーパーちゃんでした。私は大好きです。可愛いです。迷な子ほど愛でたくなるのはなんなのでしょうね。私はこの子のコンセプトがすごく好きですし、説明書の最後にエフェクター内部のブロック図が乗っているのですけどそこから開発の確かな愛を感じられてすごくワクワクするのです。こういったワクワクこそある意味DTM全盛の時代にルーパーを使う意味なのかなって私は思いました。

こんな感じで今回はここまでです。読んでいただきありがとうございました!