Aiming for Enrikeのライブみてきたよ!-Aiming for Enrikeのギターの多分どこよりも詳細な解説-
こんにちは、機材好きです。
先日ノルウェーから留学しに来てる男の子と期間限定でバンドをくみまして、その名もズバリ"Norwegian Salmon"と言います。ノルウェージャンサーモンズ。ノルウェーといえば鮭だろ?ってドラムの発案です。
そして内容はRATMのカバーです。よくわからない。
そしてノルウェーのバンドといえば?鮭じゃなくて?と言う話をメンバーとライブ終わりにしてまして。そのとき話題に上がったAiming for Enrikeというバンドがタイムリーにも来日してたのでいって来ました@京都メトロ。
こんな感じのライブでした。
まず感想。えっぐかった。
先に大阪のライブにいった音楽仲間が「あれはえぐい、やばい」しか言ってなかったのがわかる。本当にそれしかいえない。
マス系のバンドで二人組っつーことでLightning boltみたいなバンドって友人には聞いていたんですけども
方向が全然違った!!
Lightning Boltはこんな感じ。
どっちも2ピースの轟音系バンドで陶酔感誘うんだけど、なんか向いてる方向が違うというか。とにかく最高でしたよ!最前でかぶりついてました!
最高すぎるから出来るだけ細かく分析するよ!!!この記事読んだらAiming for enrikeのギターがあなたもできる!くらいに!できたらいいね!
あくなき低音へのこだわり、やばいアンプの使い方
まずは一曲
ライブじゃないとその魅力が完全には伝わりきらないと思うんですけども
その原因はとにかく音へのこだわりがすごいこと。
その前のTricotとかNingen OKとかもよかったんですけれども
なんというか、出音へのこだわりがもうね、別ベクトルに別次元というか。
ベースアンプにマーシャルのヘッド乗せたやつと マーシャルのキャビネットにJC乗せたやつと二台使ってたからね。
何言ってるのかわかんないと思うけどさ!
Lightning boltはベースでギターの音を出してるってとこで変態でしたけども
Aiming for Enrikeはギターでいかに気持ち良い低音を出せるかってとこに終始してて
ベースレスなのにギターが今日一番の低音でリフを弾いて、それにドラムがパワフルなキックとパッドでの超重い音を合わせてきて
その低音轟音の中で細かくてタイトなスネアがめっちゃ刻んで来ててリバーブぎゃんぎゃんなギターが反響しまくってて
なんかもう、こんなんきもちよくなってまうやろーー!!みたいな!!
これはもう!ポップですよ!クラブですよ!ダンスミュージックですよ!
けっこうギターとドラム二人組のマスロックっていろいろあって(HelaとかMarylin ramboとかGiraffes?giraffes!とか)
それだけだとそこまで物珍しい編成ではないんだけど、この編成でここまでダンスに寄った踊れる低音にこだわるバンドって立ち位置のマスロックバンドはあんまないんじゃないかしらって思うよ!あるのかも知らんけど!
マスロックのデュオ勢の中でもかなーりポップです、おすすめっす!!
取り乱しました。
先ほど触れたアンプへのこだわりをもう少し詳しく。
マーシャルアンプをふたつにわけてヘッドアンプはアンペグのベースアンプキャビに、片方はジャズコに繋いでました。
多分ジャズコをヘッドとして使ってるようなイメージなのかしら?
ジャズコは縦向きにしてヘッドみたいにマーシャルの上に置いてありました。落ちそう。
とにかく「ギターでどれだけ迫力ある音を出せるか」ってことにこだわり抜いたかのようなセッティング。
ギターさん、ベースオクターバーをめっちゃ使ってるんですよ。
それとベースアンプがあわさって普通のギターでは実現不可能なレベルの低音がお腹をガンガン…
ふぅ
機材自体はどこのライブハウスにもあるものなのでオススメですね。アイデア賞ですよ。
だって多分Enrikeの人、その場にあるアンプ使ったくらいの感じだもの…Youtubeでみた自分用アンプ持ち込んでないっぽいもの…
エフェクターがやばい。
で、アンプ以外にもエフェクターですよー!
なんとちゃんと撮れないなーってわたわたしてたらローディーさんが撮ってくれました!感激!!ありがとうございました!!
これ!激レア?なAiming For Enrikeのエフェクターボード全景ですよ!!

っやっばーい!!!
この量をスイッチャー使わずに直列ってだけでもうやばいっすわー!!
すっごい考え抜かれた、でも行き過ぎておバカなクリエイティブ!ペダルボード!
このサイズのボードもってはるばるノルウェーからお疲れ様です!!
エフェクター解説
前段から順に解説していくよー!
まずオレンジのMI AudioのBoost n buffってブースター!
これは常時かけっぱみたい。
なんかこの星型に手書きのデザイン、日本のページだと見あたらなかったのだけれども国ごとに違うのかしら?それともバージョン?
ロスの少ないハイエンドペダル!だそうです。
とにかく編成がごまかしきかないのもあってか音へのこだわりすごい。
その結果の体が震えるほどの圧だけど耳が痛くない、優しいサウンドの極上ギターですよ。たまんねえぜ!
変態の肝、圧倒的ルーパー使い
そこからルーパーとして使ってるLINE6のDL4ね!

これは私も持ってます、このDL4はAdebisi ShankにBattlesにLightning Boltにとマスロックの足元によく出没する変態御用達よ!
まずこのルーパー、ループの1/2、2倍速再生ができます。その時音程も変わります。
録音したループの逆再生もできます。ワンショット再生とかもできます。
あときわめつけはね!つまみいじると!フィードバックしてすっごい変なループになるんですよ。しかも再現率たっかいのよ。これでリフ作れるのよ。
代表的なのはBattlesのtij冒頭のあれね!!
で、もちろんEnrikeも同じように、作ったループをいじりまくっており
それで作ったループをワンショットモードであたらしいリフに変えて、後段のBOSS RC3?でもう一回録音し直したりするわけです。
そしてそのループをさらに間のエレハモのchill switchというキルスイッチのストンプ(!)でまたばつっと切ったりするわけです。
あとは後段にあるMoogのリングモジュレーター、Moogerfoogerをそのループにあとがけしてさらに変態に!
こうして書いてみるとやってることはすっごくBattlesっぽいね!
あとお見事ってなったのは!
RC3にフットペダルつないでON/OFFをものすごい速さで行えるようにしてることね!


これはすごいアイデア。スイッチ2個踏まなきゃいけないってことなので、どうしても座って演奏することになりますけれども。Enrikeの人は途中完全にギター床に置いて手でエフェクター演奏してたし別にそれでいいよね!すっごいかっこよかったよ!
どこまでも変態。な音にするエフェクターたち。
で、続き。
青いちっこいペダルはMooerのBlues moodっぽいです。

BOSSの名機Blues driverのクローンですね!いい音なるよ!
あとOOHLALA PedalのTruly beautiful disasterをオシレーター的な使い方してるっぽいよ、シンセっぽい変態音担当かな。
OOHLALA Pedalsはデビエバーさんが前身であるEffector 13の権利を売ったところです。つまりはデビエバーサウンド。
どおりで極悪な音がすると…
なんか使ってるデザインのやつの動画見つからなかった…
一応Truly beautiful disaster自体は今でも簡単に手に入るやつですよ!
赤いのはリバーブでTC ElectronicのHall of fame。これをフルテンレベルでつかってるみたいです。
空間系大事だよね!

これですっごい陶酔できるあの雰囲気が作れるんです。
で、さっきいってたBOSSのベースオクターバー、OC-3をBOSSのチューナー使って二つに分けてベーアンに繋いでるっぽい。
すごいのがね!バイパスからはギターアンプに通してね!普通のアウトはベースオクターバーにつないでベース音のオンオフをやれるようにしてるみたい!天才かよ!
演奏してる最中にもすっごいしっかりとした意思があるっていうのがよくわかるけど頭混乱しそうだし私には無理!もう無理!
あとボスのディレイをつないでるんですがこれはどうもリアルタイムでテンポをタップして操作しているようで…
もうわけがわからない
それで最後段にELECTRO-HARMONIXのPitch fork。ピッチシフターです。

ネットで調べた限り普段はこの位置にWhammyがきてるっぽいね。
遠路はるばるだから省スペースを測ったのかしら?
あとはでっかいACアダプタ。見たことない奴です。
どうしてもわからなかったのは最前に繋がってる月みたいな模様のやつと最後段の黄色いやつ。
これ、ほかの映像みても使ってるところがわかんないんですよね…
すいません完全解説っていったけどあまりにややこしくて限界ですわ…。
私も知りたいので情報求む!!
(追記 2018.4.14 半月のような模様の最前に繋がれたエフェクターはDeath by audioのReverberation machineというリバーブペダルです。
日本のジョンフルシアンテと呼び声高いsoucozさんからの情報で判明しました、ありがとうございます!
最前に空間系をかませるとシューゲイザーっぽい効果がでてすごく気持ちよくなれますね。そんな効果をねらってるのかしら?
ですが、どうもツアー中で破損したようで途中からBananana Effectsのシンセペダルとリバーブペダルに置き換わっていたようです。
日本土産なんでしょうか?やっぱり最前リバーブなので同じ効果を狙ってのことだと思いますが、オシレーター的な変態のTruly beautiful disasterの前にさらにシンセ系エフェクターかますってすごすぎますでしょ。
ああ…bananana仕様のライブも見たかったなあ…)
コピーするにはどうすればいいの?
ではコピーするにはどうすればいいのか。この大量のエフェクターたち、実は比較的安価なエフェクターたちで構成されてます。
絶対必須なのはDL4、これは同じ効果持った奴がなかなか他にないので。でも中古でめっちゃ安く手に入ります。
あとはそれを録音するルーパーもう一つ。ワンショットできるやつならなんでもいいですが、EnrikeみたいにBossのにフットスイッチをつなぐのが一番コスパがいいんじゃないかなと。
あとはベースオクターバーは絶対必須として、その他色々を補う目的でマルチがあればとりあえず雰囲気は真似られるかと思いますが、如何せんエフェクターで演奏しているレベルですので正直全部揃えないと完コピは無理ですねこれ…これさえ読めば完コピ!と銘打っていたのにすいません。
ただどうもエフェクターボード上段の踏みづらいスペースにあるやつは基本かけっぱなしかシンプルなオンオフぽかったので、その辺をマルチでひとまとめにしつつ下段にあるリアルタイムで「演奏している」エフェクターをどれだけコピれるかというのがミソかなって。
本人たちもアドリブ全開だし感覚が大事だと思いますです。はい。
浸れればそれでいいじゃない
あまりに感動して終わった後に柄にもなく絡みに行ったのですがめっちゃいい人でした。
ギターやってるっていったら「じゃあ僕のギターも弾けるよ!」みたいなこと言われてむりむりー!ってなって。
でも冷静に見てみるとエフェクターやアンプの構成自体はすごくシンプルで、めっちゃ高額なものも少なくて、キモになるペダルは誰でも手に入れられるようなもので。
確かに私の手持ちのペダルでもできるなーってレベル。ただそれをここまで考え抜いて研ぎ澄ましてものにするのはもう彼じゃなきゃ無理です。そのレベル。
すごくエレクトロなんだけどもあくまでもやっていることはバンドで、セッションで、生々しい。頭でしっかり考えている部分と、感覚で演奏する爆発力のバランス。だからすごく聞いていて気持ちいいのかなって思います。
まさに理系でマニアックでアーティストで、ああこれがマスなんだってしみじみ思いました。
一緒に写真も撮ってもらったのですが流石の身長差でした。
うちのバンドの子も高校生にして180cm代なんですけどなんなのよノルウェーうらやましい。
SUSHI食べたい。
あとギターブログなんであまり触れられなかったですけどドラムもやばい。
2Lペットボトルの水を自販機で買ったジュースのように飲み干すビッグでクールなドラムの人。
この人のバカテク無くしては絶対にこのバンド成り立たない。変拍子混ぜつつも基本はダンスで、でも単純には決してならなくて。たまにラテンっぽいビートとかまぜてきて的確に盛り上げてくれました。やばい。
あとドラムさんに「あれだけ観客席の方見てよく叩けますね」っていったら
「ああ、寿司のことかんがえてた」
って言われました。
ドラムの人とはスシの話しかしてない。
「よかったらスシ食べて帰ってねー!」って言ってお別れして、それでその後インスタ見たらマジで寿司食べてた。
こんなすごい人たち、この翌年も来日してくださってました。当日券でも見にいくべき!!マジで!!!!
それで何も考えず浸ればいいと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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